乳酸菌の特性

ブルガリア菌の特徴

ヨーグルトといえば、ブルガリアヨーグルトがおなじみですよね?このブルガリア菌は腸内には住み付く事ができない乳酸菌ですが、腸内環境を良くするうえでとても重要な乳酸菌です。
ではこのブルガリア菌の特徴や歴史などをみていきましょう。

ブルガリア菌の特徴とは?

ブルガリア菌とは乳酸菌の一種であり、ラクトバチルス属に分類されます。
このラクトバチラス属はおよそ30ある乳酸菌の属の中でも一番大きな属に分類されています。
このブルガリア菌はビフィズス菌やフェカリス菌などと違い、腸内に生息する事ができません。
ブルガリア菌はヨーグルトなどの乳製品に多く含まれており、このヨーグルトを乳から作り出す種となる菌がブルガリア菌なのです。

ブルガリア菌の歴史とは?

ブルガリア菌が発見されたのは1905年に、スタメン・グリゴロフという細菌を研究する医学生によって発見されました。
彼はブルガリアヨーグルトの存在に興味を持ち、研究をずっと続けていく中で、ブルガリアヨーグルトの中に3種類の乳酸菌を発見する事に成功しました。
この3種類の乳酸菌は酸素を嫌う菌で嫌気性菌といいます。
この3種の乳酸菌は細長い形の桿菌、丸い形をした球菌、鎖の様に連なっている連鎖桿菌で、そのうちの細長い形をした菌がブルガリア菌です。
これらの3種の乳酸菌がブルガリアヨーグルトの酸味や風味をもたらしているのです。

また、ヨーグルトを作る際、2種類の種菌(スタータという)が必要になります。
この種菌を牛乳に混ぜる事でヨーグルトができます。
2種類の種菌は、長い形をした桿菌であるブルガリア菌と、丸い形をした球菌のサーモフィラス菌です。
現在では国際規格によって認定されているヨーグルトの種菌は、ブルガリア菌とサーモフィラス菌の2種類のみと認定されています。

ブルガリア菌とサーモフィラス菌との関係性とは?

ブルガリア菌とサーモフィラス菌はヨーグルトを作るうえで、主役の乳酸菌ですが、ブルガリア菌はサーモフィラス菌と一緒にする事でお互い助けあう関係になり、短い時間で増殖する傾向があります。
サーモフィラス菌は育つ力が早く、乳の中のわずかな栄養成分、アミノ酸やペプチドを利用し増殖します。
そしてその際にブルガリア菌のエサになる蟻酸(ぎさん)を作りだします。
ブルガリア菌はサーモフィラス菌によって作りだされた蟻酸によって増殖し、サーモフィラス菌に必要な、アミノ酸やペプチドを作り出すのです。
つまり、このブルガリア菌とサーモフィラス菌はお互いが作り出す成分増殖する事で乳酸発酵をし合い、短時間で栄養のあるヨーグルトを作りだすのです。

ブルガリア菌はヨーグルトに必要な種菌である

いかがでしたか?ブルガリア菌は腸内には住めない乳酸菌ですが、ヨーグルトを作るうえで無くてはならない種菌の役割をしています。
このブルガリア菌とサーモフィラス菌がお互いにより良い関係を築けているからこそ、美味しいヨーグルトを食べる事ができるのです。
乳酸菌に興味を持った方はこちらの記事もおすすめです。

ページのトップへ戻る